Philippe Coutinho Players file 1
フィリペ・コウチーニョ(27)
選手情報
生年月日: 1992年6月12日
身長/体重:172cm/68kg
出身:ブラジル(リオデジャネイロ)
ポジション:LWG/LMF
利き足:右足
経歴
2009-10 🇧🇷ヴァスコ・ダ・ガマ
2010-13 🇮🇹インテル・ミラノ
(2012 🇪🇸エスパニョール)
2013-18 🏴リヴァプール
2018- 🇪🇸バルセロナ
(2019-🇩🇪バイエルン)
バルサ入団
コウチーニョがバルサに加入したのは2018年の1月のこと。入団よりもかなり前からこの移籍話は噂されており、バルサ移籍はコウチーニョの夢であると言われていました。移籍した当時のリヴァプールファンは、彼のことを「裏切り者」とし、彼のネームが刻まれたユニフォームを燃やすなどといった動画をSNS上にアップしていました。それだけ愛されていたんですね。
紆余曲折あり、結局コウチーニョは固定額177億円、自費で13億円、出来高40億円と合計で200億円余が動く超大型移籍を果たしました。この額は前年の夏に更新したばかりだったデンベレの際の移籍金額を上回り、クラブレコードを記録。
2017-18シーズン
コウチーニョの入団時は、エルネスト・バルベルデ監督によってバルサは伝統の4-3-3を捨て、4-4-2のフォーメーションをとっていましたので、コウチーニョは左サイドサーフのポジションを、イニエスタと2人で埋めるようにして起用されました。(2人先発起用の時もあった)この半シーズンは、クレの期待通りの活躍でした。シーズン途中加入ながら、22ゲームで10ゴール6アシスト。イニエスタ最後のリーガのゲームでは、彼の十八番である素晴らしいミドルシュートも見せてくれました。この時は、誰もが「こいつは行ける!」と確信していたでしょう。
【17-18シーズン 基本フォーメーション】
2018-19シーズン
彼に求められたのはネイマールの後釜、そしてイニエスタの後継者としての役割でした。前者のネイマールの後釜はデンベレに役割があるはずでしたが、彼はデビュー戦で怪我によって離脱すると、その後も細かな怪我を連発。そのため左ウイングが手薄になり、2018/19シーズンからは、自動的にコウチーニョの主戦場は左ウイングとなっていったのです。
【18-19シーズン 基本フォーメーション】
18/19シーズンは前年とは打って変わって、失点数が増えました。安定感のある4-4-2から4-3-3へと戻したことが大きく起因していたと思います。その代わりメッシ、スアレスは好調で、得点力は抜群。リーガの首位をひた走ります。10月に迎えたクラシコでは、メッシが欠場したにも関わらず5-1の圧勝。コウチーニョは先制点となるゴールも記録しました。
【クラシコでのゴール時】
コウチーニョがクラシコでゴールを決めた際のWOWOWの実況を今でもよく覚えています。こんな内容です。
(コウチーニョがゴール)
「クレの人に、メッシの代役は誰だ、そう聞くと、必ず"コウチーニョ"と答えるんですよ。今、そのことが証明されました!」
…この時は本当に嬉しかったです。彼も笑顔が溢れていましたし、プレーにも自信があるように見えました。しかし11月に入り、彼は怪我をしてしまいます。筋肉系のトラブルだったか。そして復帰した12月ごろから、状況は一変。彼は不調に陥ります。
【苦しんだコウチーニョ】
苦しんだ理由
結局彼は、シーズン終わりまでカンプ・ノウのファンを納得させるパフォーマンスを披露することはありませんでした。果たして彼は不調だったから、結果を出せなかったんでしょうか。
僕はそうではないと考えています。確かに、キレもありませんでしたし、かつて決めていたようなシュートも決まらなくなっていました。ただあのようなプレーをしてしまった根端にあったのは、彼のプレースタイルにあります。
というのも彼、オープンなスペースがないと自分の意図するプレーが出来ないのです。彼がかつて輝きを放っていたプレミアリーグは、縦に早く、カウンターが起きやすい、オープンなサッカーをする傾向にあります。対してリーガはより戦術的で、引いて守るチームが多く、オープンスペースではなく密集地帯が出来やすいのが特徴です。特にその「引いて守る戦術」はバルサやマドリーに対して使うチームが多く、このようなチームに対してコウチーニョは苦戦していました。また、レオメッシの存在を気にしすぎたというのも一因にあるかと思います。
今後の展望
魔術師と呼ばれていたコウチーニョ。彼ならもう少し器用にできるものかと期待はしていましたが、意外と不器用でした。技術は確かです。ただその技術を超えた戦術に浸透するという面ではバルサに至らなかったのかな、と。
現在バイエルンへ期限移籍中ですが、バイエルンは契約時に指定された額、140億円を支払うつもりはないという報道が出ました。その後バルサ側がその額を引き下げ、100億円ほどで売却する意向を固めたようです。
どちらにせよ、今のバルサに彼の居場所はありません。前線も、中盤も。個人的にも大好きな選手でしたが、未来がバルサにあるかと問われれば、NOと答えます。
バイエルンは現在マンチェスター シティ在籍のルロイ・サネを狙っているとされます。昨シーズンで退団した通称「ロベリー」の代役を探しているのでしょう。このままだとコウチーニョは来夏バルサ側によってプレミアのクラブへ売り払われてしまうでしょう。
ただ、彼がいた昨シーズンとはうって変わり、現在のバルサは変革されています。監督が変わったのです。このことが彼にとってプラスになる、かも…しれません。夏の動向を見守りましょう。